沢山のヤンデレ女子が登場する化物語シリーズ
現実を見てもクセのない人の方が少なかったりする
そしてキャラクターの雰囲気(髪型、言動etc)や成長と関係性の構築が繊細に描かれている点が魅力的
※ネタバレの内容です
魅力的★戦場ヶ原ひたぎ/阿良々木暦
作品の概要
ヒロイン達が背負った過去、そこから生まれる怪異、それによって苦しんでいるヒロイン達を阿良々木暦が解き放っていって結果モテモテになるっていうよくあるストーリーなのだが各ヒロイン達のそのプロセスまでが本当に長い。それだけのヒロイン達の過去に重きを置いたお相手を尊重し思いやるマインドが備わった萌の名作品だと思う
このマインドって実際のうまくいく恋愛でもメチャメチャ当てはまる
羽川翼いわく“存在がとても儚げ”な戦場ヶ原ひたぎ
人間強度が下がるとして友達を作らない阿良々木暦
他人に対し沈黙と無関心でいて欲しい戦場ヶ原ひたぎ
表面上は委員長の中の委員長、羽川翼
他人に対して大きなバリアを作るのも作るくらいの過去がある事、結果閉ざした心、本質はその奥にある事
その過去に囚われた結果、戦場ヶ原ひたぎは怪異によって体重5キロになった事。
この奪われた重みは誰にも言えない痛みを自ら投げ出したと言う事。
それらの過去を聞く側が理解出来るのか、ヒロイン達がそのデリケートな部分を話すだけの価値が阿良々木暦、受け手側にあるのかが器だったりする事
結果、阿良々木暦は常に試されている。いや現実でも我々も常に試されている
阿良々木暦の利他の行動と言動が戦場ヶ原ひたぎの心を徐々に開いていく
現実でも利他は気が付いたらお相手が運んでくる恋愛のきっかけになっていたりする。
誰だって最初はうまく出来ない恋の始まりのアプローチや心を開けない重い事情、その点は戦場ヶ原ひたぎも同じ。知性はありつつも心を開いた後の自己表現のぎこちなさや人間の不完全さを教えてくれるのが戦場ヶ原ひたぎだったりする
そのバックホーンを考えれば当然デリケートな部分は良く理解出来る共鳴出来る尊い存在に思える
第一話でのやりとりで戦場ヶ原ひたぎが持つ他人への過度な警戒心に対して暦の誠実さは相手に染まらない自分らしさを貫いている
自分に芯があるってお相手が惹かれる重要ポイントだったりする
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戦場ヶ原ひたぎは阿良々木暦の誠実さを何度と問いかけによって確認しつつ自己表現も会話の中に忍ばせている
そこから始まる関係構築の距離の駆け引き
利他の行動の阿良々木暦とまだ探り気味の戦場ヶ原ひたぎの関係からの発展が面白い
2ケツでチャリ移動している間のやりとりから、3年間同じクラスでありながらも2人になってみると距離感がまだ遠い関係というのが読み取れる
警戒心の表れとして戦場ヶ原ひたぎは自分を守るための様々な威嚇をする
現実の恋愛でも最初はそういったシーンがよくある
そこが可愛かったり重かったり。捉え方次第
相手が信用出来るかどうか、受け止めてくれるかどうか、それらの落とし所が出来て少し不安が和らいだなら戦場ヶ原ひたぎの深層を紐解く神職者的役割の忍野メメによるお祓いへ
この流れは互いを少し理解したら2人だけで外に出る、デートにいく。現実でよくあるそんな流れにも似ている
外の世界、社会を知っている存在が忍野メメならば神職者的存在の忍野メメに受け入れられている阿良々木暦はヒロイン達にとってそれなりの存在に位置付けられるはず。
忍野の登場シーンではメジャーセブンスが定番のブルースが流れる
このリラックスの旋律は忍野メメが怪異を祓う悩みを解決してくれる神職的存在としての安堵感も加味されているように思う
安心感が絶対的支柱なのは言うまでもない
それを運んで来たのも阿良々木暦だ
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現実世界でも安心して欲しいってマインドにブサイクもイケメンも年齢もない、誰もが持っている標準装備のマインドだと思う。
信用も安心感も得られていないのにパートナーになろうとするところに歪みが生まれる事も多い
苦しみを神的儀式で解くまでのプロセスがこのアニメの面白い所だけど、ヒロイン達のクセが生い立ちに深く関係し怪異と出会ったきっかけという部分を考えると尖ったクセは現実でも厄介なシロモノと置き換える事が出来る
お互い様のクセ、それ含み好意を持てるのは甲斐性が問われるところでもある
戦場ヶ原ひたぎの名言
「服の上からだとわからないかもしれないけれど私の体は案外法を犯してまでも手に入れる価値は無いかもしれないわよ」
自己防衛のセリフでもあり、男性が抱く過度な期待に対する現実的な解答をしているようにも思える
「私の私服を見て至福の瞬間」
お相手がプライベートを見せてくれるのはやや状況が変化しますよね
「見せたかったじゃないわ、アララギくん
見て欲しかったのよ
それとコレとはニュアンスが全然違うじゃない」
この違いは確かに大切。そしてこれを言われた時、お相手の恋愛への傾き加減も測れる
「私たちはあなたを選んでいる」
今のところのお相手からの信頼は高いですね
「アララギくんみたいなイカさない童貞野郎と話してくれる女の子なんてせいぜい私のような行き遅れのメンヘラ処女しかいないということよ」
相手の中に自分の位置付けが出来るポジション取り、上手いですね
忍野が言うところの「被害者ヅラが気に食わない」
このセリフを言わないといけない瞬間は恋愛には結構ありますよね。。
他責に対してのアンチテーゼは関係の質を高めたりします
このシーンでの2人の沈黙の目の会話、忍野メメが投げた問いにひたぎが気づきを得るまでの沈黙の時間。
被害者ヅラという言葉にキーキー言う程度なのか試しているシーンにも見える
その目の会話が忍野メメを良しと言わせた背景には戦場ヶ原ひたぎは反省の出来る神事をするに足る人物という確信をした瞬間だったという解釈も出来る
弱っているのか、ただ単に弱いのか、そんな事を教えてくれるシーンだと思う
懸命にバリアを張っている、詐欺師に幾度か喰らっている戦場ヶ原ひたぎの心を様々な誠意でほぐす
戦場ヶ原ひたぎがまとった怪異の概念
・重し蟹
・想いし蟹
・想いし神
・重いしがらみ
忍野メメの問い「初恋の相手はどんな子だった?」
これにアンサーしなかったひたぎの心理は、詐欺師貝木泥舟に恋をした黒歴史を悔いているのか、阿良々木暦に対して何らかの感情が芽生えていたのか、色々な戦場ヶ原ひたぎの繊細な心理がくみ取れる
現実の恋愛の始まりでもちょっとした仕草や言葉の言い回しからしか気持ちを解釈出来ないのが現状のほとんどだったりしますよね。。全然分からないってなりますけど笑
キャラが持つキャラを構築した要素を紐解いていく、紐解いた奥にあるキャラではない本来のヒロインに触れる
そこに挑戦してグッチャグチャになる阿良々木暦は芯を持った自由人。ヒロインが輝くために奮闘し興奮する勇者。確かに魅力的。
そして過去と真正面に向き合って蟹、神とやり合って反省し願い本来の自分を取り戻そうと奮闘した戦場ヶ原ひたぎ。過去の精算は人様の協力も必要だったりするのかも知れませんね